この動画は、不動産鑑定士・不動産投資コンサルタントの浅井氏が、不動産投資の基礎講座として「新築区分マンションを買ってはいけないこれだけの理由」というテーマで解説を行うものです。
新築区分マンションを買ってはいけない理由として、以下の点が挙げられています。
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節税にはなりにくい:
- 営業ではキャッシュフローがマイナスになることで本業の収入と合算され節税になると説明されることがあるが、これは誤り。
- 実際には、元利均等返済による金利の経費算入額の減少や、減価償却における土地部分の非経費算入などにより、課税所得がプラスになることが多い(いわゆる黒字倒産のリスク)。
- 購入初年度は諸経費が多く赤字になりやすいが、2年目以降は課税所得がプラスになることがほとんど。
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保険代わりになるは正しい:
- 団体信用生命保険に加入することで、購入後に死亡した場合などにローン残債が保険金で支払われ、家族に負担がかからない点はメリット。
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サブリースで安心は一部誤り:
- 空室時の賃料保証はメリットだが、保証賃料は実際の賃料より低く設定されることが多い。
- 売却時にサブリース契約が足かせとなり、利回りが低くなるため売却しにくい場合がある。また、解約条項がない契約もあり、注意が必要。
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ローンが終わっても自分の資産になるとは限らない:
- 30年や35年のローンを組むと、完済時に高齢になっている可能性があり、年金収入などからローンの支払いを続けなければならない場合がある。副収入を得るための投資だったのに、持ち出しが発生する可能性がある。
新築区分マンションを買ってもいい人:
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富裕層の相続税対策:
- 区分マンションは土地が共有名義となるため、相続税評価額が下がる効果がある。
- 複数購入することで、相続時の分割が容易になり、争いを避けられる。
- 都心など立地の良い物件は、将来的に売却しやすい可能性がある。
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中小企業の社長など(現金購入が基本):
- 都心のワンルームマンションは価値が下がりづらく、売却しやすい場合がある(物件による)。
- 経営状況が悪化した際に、売却して現金化し、資金繰りに充てることができる。
新築区分マンションを買ってはいけない人:
- 副収入目的のサラリーマン(特に40代以上): 毎月の持ち出しが発生しやすく、投資とは言えない状況になる。高齢になってからもローンの支払いが続く可能性がある。
買っても良い時期とダメな時期:
- 東京都の中古マンション成約単価の推移を例に、価格が上昇している時期は買っても良い可能性があるが、現在は価格が頂点に達している可能性があり、今後は不透明であると指摘。
まとめ:
- 新築区分マンションは所得税の節税にはなりにくい。
- サブリースは使い方によっては売却時に危険を伴う可能性がある。
- ローン完済時の年齢を考慮する必要がある。
- 副収入目的には合わない可能性がある。
- 買う時期によって有利不利がある。
動画では、新築区分マンション投資のリスクと、特定の層にとっては有効な場合もあることが解説されています。
特に、副収入目的のサラリーマンには慎重な検討を促しています。