この会話では、不動産購入、とくに一戸建てやタワーマンションの将来性について、専門家と購入検討者の立場から真剣に議論されている。
発言者の一人は一戸建てにはすでに価格上昇の見込みがなく、むしろ台湾など海外市場やタワーマンションの方が可能性があると示唆されたが、話し手本人は一戸建て志向であり、その意見に懐疑的である。
番組の主旨としては、家の購入を本格的に検討している人物に向けて、不動産購入に関する正確な情報を専門家(通称「不動産Gメン」)から学ぶことで、判断材料を得ることを目的としている。
この専門家は、自身の経歴や活動実績(明治大学卒業後、不動産会社設立、YouTubeでの情報発信など)から信頼性のある人物として紹介されており、著書の宣伝も兼ねて登場している。
議論の中で、現在の不動産市況について「最後のババ抜きが始まっている」と表現されており、物件価格はむしろ今後下落に転じる可能性があるという警戒感が強調されている。
つまり、今は必ずしも買い時ではないという示唆である。
家を買うかどうかの判断においては、「不動産を制する者は人生を制す」というキーワードのもと、以下の4つのテーマが重要であるとされる。
①不動産購入のメリット・デメリット、②日経平均と不動産価格の連動性、③物件購入の基礎知識、④タワーマンション節税の終了とその影響、という内容である。
具体的な議論の中では、不動産購入の最大のメリットとして「自慢できること」が挙げられ、SNSなどでの承認欲求や、幼稚園や小学校の保護者間でのステータス争いの一環として購入を決めるケースがあることも紹介された。
一方で、資産価値の上昇を期待するのは短絡的であり、住宅は「資産」ではなく「負債」と捉えるべきだという認識が強調された。
理由として、住宅は自分にお金を生まない上、毎月の支払いが発生し、減価償却により価値が下がっていくからである。
また、過去の不動産価格の推移についても、リーマンショックや東日本大震災などの影響で価格が急落したことを例に挙げ、「不動産価格は永遠に上がり続けるわけではない」という現実的な視点が示された。
現在の価格上昇も、金融緩和によって支えられてきたものであり、その持続性には疑問が残る。
全体として、番組のメッセージは「不動産は冷静かつ長期的な視点で考えるべきであり、安易にブームに乗って購入すべきではない」という慎重な姿勢を促す内容で構成されている。
また、講師が自身の利益を追求する姿勢ではなく、視聴者の判断力を高めることに重点を置いていることも印象的である。