この内容は、不動産投資に関する実践的なアドバイスや考え方を、初心者にも分かりやすく伝える対話形式の講義のような構成になっており、主に「新築 vs 中古」「都心 vs 地方」といった対比を通して、それぞれの投資手法の特徴と戦略的な視点が語られている。
まず、「家賃年収2000万円を2年以内に達成する」ことは可能であるという前提のもとに話が進んでいる。
家賃収入を得るためには「融資が出ること」や「不動産会社が勧めたこと」が即ち良い物件を意味するのではなく、「自分にとって無理のない範囲で戦略的に物件を選ぶこと」が何より重要だと強調されている。
不動産会社の担当者と良好な関係を築くには、業務的な関係だけでなく、「コーヒーを一緒に飲みに行く」など、人間関係としての距離感を縮める工夫が有効であるとも述べられている。
物件の選び方においては、「新築」と「中古」それぞれに長所と短所がある。
新築は、修繕費が少なく資産価値が高いため融資を受けやすく、長期保有後の売却も容易であるが、利回りが低いため投資効率には劣る。
一方、中古は利回りが高く投資効率に優れている反面、修繕費や資産価値の低下、融資の困難さ、売却のしづらさといったリスクが伴う。
どちらが良いかではなく、自分の目的(キャッシュフロー重視か、キャピタルゲイン重視か)に応じて選択するべきだと説明されている。
さらに、「新築か中古か」だけでなく「儲かるか儲からないか」という投資の本質を見極める姿勢が強調される。
物件の構造に応じて国が定めた「法定耐用年数」によって、融資期間に差が出ることも具体的に説明されており、例えばRC造(鉄筋コンクリート造)は47年とされているが、築20年の物件であれば残り27年になるため、融資期間も短くなる。
また、投資戦略を考える際には、まず自分自身の「目的」や「目標」を明確にする必要があるとされている。
数値目標(年収2000万など)だけでなく、気持ちベースでの動機や価値観の整理も重要な出発点である。
その上で、例えば最初のステップとして5000万円程度のアパートを1棟購入し、購入プロセスを通じて感覚を掴むことが推奨されている。
投資エリアの選定においては、「都心 vs 地方」の視点が紹介されるが、ここでも単純な比較ではなく、「自分の目が届く範囲で投資をすることが初期段階では最も重要」と説かれる。
都心は人口が多く、賃貸需要や資産価値が高いが、その分競合も激しく、賃料の下落リスクがある。
地方は競合が少ないため利回りは高いが、人口減少の影響で将来的な需要減や資産価値の下落が懸念される。
ただし、地方にも成長市場や競争の少ない「ブルーオーシャン」が残されていることもあり、人口動態や地域の将来性を見極める力が重要になる。
つまり、どちらの選択肢が良いかというよりも、自身の生活環境や人的リソース、経験値、投資目的などを踏まえて戦略を練ることが最も大切であると繰り返し述べられている。
また、仮に地方の実家や親族がいる地域がある場合は、現地とのつながりがあることを活かして投資することも検討の余地があるが、それでも初期は「目が届くエリア」にするべきだという姿勢は一貫している。
全体を通して、不動産投資における成功の鍵は、単なる物件選びや利回りの比較ではなく、「自己の目的に応じた判断軸の確立と、それに基づく一貫した行動戦略」にあることが繰り返し強調されている。