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高配当株は将来のキャッシュフローは予測しやすい。しかし、税金を考慮すると投資効率はインデックス投資よりも悪い。

この動画は、高配当株投資の効率性について、具体的な経験とデータに基づきながら考察しています。

不労所得としての配当金の魅力と、それに伴うデメリットを詳細に解説し、どのような人が高配当株投資に向いているのかを提示しています。

 


配当金の魅力と実体験

投資家は不労所得の確保や将来の資産形成を目指すことが多く、特に配当金による生活(FIREなど)に憧れる人も少なくありません。

配当利回り4%でシミュレーションした場合、100万円の投資で年間4万円、500万円で年間20万円、1,500万円で年間60万円の配当金が得られ、月々数万円の収入でちょっとした贅沢が可能になります。

講演者自身も年間100万円以上の配当金を受け取っており、その経験から、配当金が定期的に入ってくることの喜びや、それが資産形成のモチベーションになることを強調しています。

配当金は「お小遣い感覚」で嬉しく、特にYouTube収益が一時停止された経験から、フリーランスや自営業者にとって安定収入の心強さを実感したと述べています。

しかし、得られた配当金のほとんどは再投資に回されており、多くの勤労者が同様の行動をとっていると推測しています。

 


高配当株投資のデメリット

高配当株投資には、以下のデメリットが指摘されています。

  1. 配当金受取時の税金による効率の低下: 配当金には約20.315%の税金が課せられるため、実際に手元に残る配当金は額面よりも少なくなります。この税金が再投資の効率を低下させます。特に米国株や米国高配当ETFの場合、現地課税10%と日本の税金約20%が二重に課税されるため、受け取れる配当金は元の約72%となり、再投資の効率が大幅に悪化します。

  2. インデックス投資と比較したリターンの劣後: 現役世代の多くは資産拡大フェーズにあり、このフェーズでは資産を取り崩すことを前提とした高配当株投資は相性が良くありません。S&P500に連動するETF(例:VOO)と米国高配当ETF(例:VYM)を比較すると、過去10数年間でS&P500の方が高いリターン(約3.98倍 vs 約3.68倍)を示しています。さらに、この比較には税金の影響が加味されておらず、実際の税引き後リターンでは高配当株投資の劣後がより顕著になります。

  3. 高配当利回り銘柄に潜むリスク: 高配当利回りの銘柄の中には、株価下落によって利回りが高く見えているだけの「罠銘柄」が存在します。これらは、事業が衰退産業に属していたり、業績が一時的な要因で高くなっていたりするケースが多く見られます。例えば、海運株はコロナ禍でのコンテナ運賃急騰で一時的に高配当となりましたが、運賃の正常化に伴い、業績悪化と減配のリスクを抱えています。このような銘柄に投資すると、減配による株価暴落で資産を大きく減らす可能性があります。高配当株を選ぶ際には、配当利回りだけでなく、売上や営業利益の伸び、配当性向、財務状況、事業内容などを総合的に確認することが不可欠です。

 


高配当株投資のメリット

デメリットがある一方で、高配当株投資には以下のメリットも存在します。

  1. 将来のキャッシュフローの予測可能性: 高配当株投資は、将来得られる配当金の額を比較的想像しやすく、キャッシュフローの予測がしやすいという利点があります。特に、米国企業の連続増配銘柄のように、数十年にわたり増配を続けている企業に投資すれば、将来の配当収入をより安定的に見込むことができます。これは、フリーランスや自営業者など、収入が不安定になりがちな人々にとって、精神的な支えとなります。

  2. 資産を切り崩さずに収入を得られる: インデックス投資で築いた資産は、将来取り崩す必要がありますが、多くの人は積み上げてきた資産を切り崩すことに強い抵抗を感じます。高配当株投資であれば、資産を売却することなく、配当金という形で安定した収入を得られるため、心理的なストレスが少ない状態で生活資金や追加の収入を得られます。特に、FIREを目指す人や退職後の生活を考える人にとっては、資産を減らすことなく収入を得られる点が大きな魅力となります。

  3. 投資収入を得る喜びとモチベーション向上: 初めて配当金を受け取った際の喜びは大きく、それが今後の資産形成の強力なモチベーションにつながることがあります。定期的に配当金の入金通知が届くことで、自身の投資が報われているという実感を得られ、継続的な投資活動の励みになります。

 


結論と今後の投資戦略

講演者は、自身の投資目的が資産の最大化であるため、効率の面でインデックス投資に軍配が上がると判断し、今後はインデックス投資を中心にしていくと述べています。

現在の高配当株は売却せず保有し続け、そこからの配当金は自由に使う予定です。

今後得られる余剰資金は全てインデックス投資に回し、目標資産額に到達した時点で高配当株投資を再開し、使えるお金を増やしていく戦略を考えています。

最終的に、インデックス投資と高配当株投資のどちらが優れているかという議論は、個人の投資スタイルや目的に依存するため無意味であると結論付けています。

どちらもおすすめの投資方法であり、自身の目的と投資スタイルを明確にし、それに合った選択をすることが最も重要であると締めくくられています。

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