この講話は、投資経験者が高配当株投資からインデックス投資へと軸足を移す決断に至った経緯を詳細に解説しています。
高配当株投資の基本的な考え方、直面した課題、そして高配当株投資が向いている人々の特徴についても具体的に述べています。
目次
高配当株投資の基本と課題
高配当株投資は、企業が株主へ支払う配当金の割合が高い銘柄(一般的に配当利回り4%超)を購入する投資方法です。
重要なのは、株価が安い時に配当金が多くもらえる銘柄を選んで購入することです。
インデックス投資のように毎月一定額を積み立てるだけでは、株価が上がった際に配当利回りが低下するため、高配当株投資としての効果が薄れてしまいます。
そのため、株価が大きく下落する局面(例:リーマンショックやコロナショック時)が絶好の買い場となり、投資初心者には難易度がやや高い中級者向けの投資手法とされています。
高配当株投資をやめる理由
話者は5年間高配当株投資を行い、約1,400万円分の高配当銘柄を保有し、年間50万円の配当金を得ていましたが、この投資を続けることに疑問を感じ、インデックス投資への移行を決断しました。
その主な理由は以下の通りです。
- 株価上昇時の非効率性: 高配当株投資では、株価が値上がりしても配当金自体が大きく増えない限り、資産全体の増加スピードが鈍化します。実際、話者の保有株は取得額1,100万円から1,400万円へと約300万円値上がりしたものの、配当金はあまり増えていませんでした。株価が好調な市場では、株価の上昇による資産増加の方が断然有利であると実感しました。
- 投資スタイルとの不一致: 株価が下落した際でも配当金が得られる点は精神的な安定につながるものの、話者の投資スタイルが「攻め」であり、積極的に資産を増やしていくことに重点を置いているため、「守り」の要素が強い高配当株投資は自身のスタイルに合わないと感じました。
- 資産最大化の目的: 投資の目的が資産の最大化である場合、配当金が支払われるたびに約20%の税金が引かれる高配当株投資よりも、配当金がファンド内で再投資され税金がかからないインデックス投資の方が、効率的に資産を増やせるという点を痛感しました。
高配当株投資が向いている人
一方で、高配当株投資は以下のような人には適した投資方法だと述べられています。
- 本業の収入が安定しており、別の収入源を求める会社員: 生活費をメインの収入で賄える人が、贅沢費や老後資金の足しとして、安定的に入る配当金を活用したい場合に相性が良いです。企業分析をしっかり行えば、配当金は毎年定期的にもらえるため、入ってきた配当金を自由に使う喜びを享受できます。
- 株価の下落に対して精神的に弱い人: 株価が20%から50%下落するような局面でも、高配当株投資であれば配当金が継続して支払われることが多いため、精神的な安定を保ちやすいです。暴落時でも配当金を出し続ける優良株を選び、株を売らずに持ち続けることが重要です。
- 積み立てた投資信託を取り崩すことに抵抗がある人: インデックス投資で十分に資産が形成されても、実際に投資信託を売却して現金化することに抵抗を感じる人がいます。そのような場合、高配当株投資で得られた配当金を使えば、資産を減らすことなく自由に使えるお金を確保できます。
今後の投資戦略
話者は今後、高配当株投資をやめてインデックス投資を中心に行っていくと述べています。
これは、自身の投資目的が資産の最大化であるため、インデックス投資の方が効率的だと判断したためです。
現在保有している高配当銘柄は売却せずそのまま持ち続け、そこから得られる配当金は自由に使う予定です。
新たな余剰資金は全てインデックス投資に回し、目標資産額に達したら高配当株投資を再開し、使えるお金を増やしていく戦略を考えています。
結論
インデックス投資と高配当株投資は、どちらが優れているというものではなく、投資スタイルが異なるため、議論は無意味であると結論付けています。
重要なのは、自身の投資目的と投資スタイルを明確にし、それに合った投資方法を選択することです。