この動画では、高配当株投資において多くの人が陥りがちな7つの失敗例を紹介し、それらを回避するための具体的な対策と、投資を行う上での心構えについて解説しています。
目次
高配当株投資でよくある7つの失敗例
利回りだけで銘柄を選ぶ: 高配当株投資では高い利回りだけを追求すると、「罠銘柄」と呼ばれる減配リスクの高い銘柄に投資してしまう可能性が高まります。罠銘柄の特徴としては、株価下落によって利回りが上がっている銘柄、記念配当などで一時的に利回りが高くなっている銘柄、業績の短期的な好調で利回りが上がっている銘柄、そして無理をして配当金を支払っている(配当性向が高い)銘柄などが挙げられます。
例えば、海運株の事例では、コロナ禍での一時的な好業績と高配当が減益予想と大幅減配に転じたことが示されています。投資する際は、売上、営業利益、純利益、EPS(1株当たり利益)の長期的な推移、配当実績、不況時の配当状況、増配余力、財務状況(有利子負債比率、自己資本比率など)といった複数の指標を多角的に確認する必要があります。一般的に、利回り2%から6%程度の銘柄が安定している傾向があり、8%や9%を超える高利回りには何らかの理由があると考えて調査することが重要です。
個別の企業に集中投資する: いくら優良な企業に見えても、一つの銘柄に集中投資することは極めて危険です。過去には絶対安心とされた東京電力の株が、東日本大震災の事故で無配に転落し、株価も急落しました。また、日産自動車も、事件をきっかけに業績が悪化し、大幅な減配や無配となりました。
これらの事例から、個別株には予期せぬリスクが常に存在することが示されます。そのため、銘柄や業種の分散が非常に重要であり、最低でも15銘柄以上、理想的には40銘柄以上への分散投資が推奨されます。分散投資はリターンを小さくする側面もありますが、投資において最も大切なリスク管理のために不可欠であり、致命傷となるリスクを避ける上で重要です。
個別株での分散が難しい場合は、複数の銘柄に分散投資された上場投資信託(ETF)を活用することも有効な手段です。
購入後に株価が下落し、耐えられなくなる: 高配当株投資においては、購入直後に株価が下落し、含み損となることはよくあることです。
しかし、配当金を得ることが目的であれば、短期的な株価の変動は過度に気にする必要はありません。含み損の株であっても配当金が減らされることはなく、むしろ優良銘柄の株価下落は、割安で追加投資できるチャンスと捉えることができます。
複数の銘柄に分散投資していれば、ポートフォリオ全体で含み益になっていれば問題ないと考えるべきです。
景気敏感株の減配後に投げ売る: 株式は景気の動向に業績や株価が左右されやすい「景気敏感株」と、不景気でも需要が安定している「ディフェンシブ株」に大別されます。
景気敏感株(自動車、鉄鋼、金融など)は、たとえ優良企業であっても景気悪化時には減配する可能性があります。
例えば、ヤマハ発動機やブリヂストンは、過去に景気悪化で減配を経験しています。このような景気敏感株とは、減配の可能性も織り込み済みで付き合うことが重要です。
見方を変えれば、減配などで投げ売られている時こそ、割安で仕込むチャンスと捉えることもできます。
バリュートラップにかかる: バリュートラップとは、株価が割安であるにもかかわらず、いつまで経っても割安な状態が続くことを指します。
これは、割安に見えてもその後に業績が悪化し、結果的にPER(株価収益率)などの指標が元の水準に戻ってしまうために起こります。
バリュートラップを避けるためには、PERなど一つの指標だけで判断せず、企業全体の利益の安定性やEPSの成長性など、多角的に評価することが重要です。
そもそも高配当株投資が向いていなかった: 投資には向き不向きがあります。高配当株投資は、短期間で大きな利益を狙う人や、効率性を重視する人、あるいは配当金に金額以上の価値を感じない人には向いていない可能性があります。
この投資は「農耕型」の投資であり、時間をかけてじっくりと資産を育てることに喜びを感じる人に向いています。
自分の性格や目的に合わない投資方法を無理に続ける必要はなく、自身のタイプに合った手段を選ぶことが大切です。
途中でやめてしまう: 高配当株投資は、基本的に長期間継続することで恩恵を受けられる投資です。株を保有している間だけ配当金がもらえるため、インデックス投資と同様に続けることが重要です。
手元の資金が少ない投資初期には、配当金の手応えを感じにくく、途中でやめてしまう人も少なくありません。
しかし、投資を続ける中では暴落を乗り越える必要もあり、数年から10年程度の継続なしにはその恩恵を実感しにくいでしょう。
まずは1年ほど続けてみて、自分に合っているかどうかを判断するのが良いとされています。
まとめ
高配当株投資で成功するためには、上記のような失敗例を事前に把握し、避けることが重要です。
仮に失敗したとしても、それに気づき、修正していくことで、最終的に目標を達成することは可能です。
致命的な失敗を避け、学んだことを実践していくことが、資産形成への道につながります。