この内容は、インデックス投資よりも高配当株投資(配当金投資)を好んで実践している理由を、投資の理論と感情的側面の両面から解説しているものです。
内容を客観的かつ網羅的に要約すると、以下の通りです。
話者は、インデックス投資と高配当株投資の両方を好んでおり、どちらか一方を否定する立場ではないと前置きした上で、自身がインデックス投資よりも高配当株投資を重視する理由を説明している。
まず、理論的な観点から見ると、インデックス投資は現代ポートフォリオ理論に基づいた「最も合理的な投資手法」とされており、分散性に優れ、長期的に見れば年6~7%程度のリターンが期待できる。
例えば、米国のインデックスファンド(VTIやS&P500連動型など)は、その代表的な例である。
また、ウォーレン・バフェットのような著名な投資家も一般投資家にはインデックス投資を勧めている。
一方で、高配当株投資は、税引き後で年3%程度の配当利回りを想定しており、分散性やリターンの面ではインデックス投資に劣る。
理論上も、インデックス投資の方が明らかに優れているという見解が支配的である。
それにも関わらず、高配当株投資を選ぶ最大の理由は、日々の生活における「実感」が得られる点にある。
インデックス投資は基本的に長期的な資産拡大を目指す投資であり、運用期間中は資産が増えていても、それが現金として使えるわけではないため、生活が良くなっているという実感を得にくい。
実際、長期の積立投資を行う場合、毎年のキャッシュフローは出金(積立)により赤字が続く。
株価が上がっても、それは売却するまで現金化されず、生活資金にはならない。
30年間積み立てを継続した場合、最終的に大きなリターンを得られるとしても、その間のキャッシュフローには寄与しない。
これに対し、高配当株投資は定期的に現金(配当金)を得られるため、日常生活で「お金が増えている」という実感が得られる。
たとえ株価が上がらなくても、配当金が増えればキャッシュフローが改善する。
これは「資産の増加」ではなく「お金の流れの改善(キャッシュフローの拡大)」を重視する投資であり、心理的にも継続しやすい。
したがって、投資手法の選択は理論的合理性だけでなく、投資家自身の目的や価値観、感情との付き合い方によっても左右されるべきであり、高配当株投資は「感情との付き合いやすさ」という点で優れた選択肢となり得る。
話者は、「投資の目的によって手法が決まる」という考え方を強調しており、「合理性」だけでは語れない投資の側面に光を当てている。
要点としては、「合理的にはインデックス投資が優れているが、感情的・生活実感の面では高配当株投資に魅力がある」「投資の選択は目的次第であり、必ずしも理論的最適解が万人にとっての最適とは限らない」という立場を、具体的な事例と共に論じている。