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豊田章男がバブソン大学の卒業式で語ったこととは。自分の心が喜ぶことを見つけなさい

このスピーチは、トヨタ自動車の代表者によるバブソン大学の卒業式での祝辞であり、聴衆である卒業生に対して、ユーモアと誠実さを交えて人生やキャリアについての助言と激励が述べられている。


スピーチは、冒頭で感謝の言葉を述べるとともに、卒業生や関係者に祝意を伝える軽妙なユーモアから始まる。

たとえば、「トヨタから皆さん全員に仕事をオファーします」という冗談を交え、聴衆の緊張を和らげると同時に、卒業後の就職に対する不安に共感を示す。

話者は、自身の学生時代のエピソードを紹介し、英語での授業に苦労しながらも、勉強一筋で社交的な活動にはほとんど参加しなかったことを語る。

それと対照的に、卒業後はニューヨークで「夜の王」となるほど社交的な生活を送ったと述べ、人生にはバランスと楽しみが必要であるというメッセージを伝える。

聴衆には「退屈な人間にはならないでほしい」「自分の“ドーナツ”(=人生の喜び)を見つけてほしい」と語りかけ、楽しみや幸福を追求することの大切さを強調する。

 

続いて、将来の成功を前提に話を進め、成功することそのものよりも「自分が本当に楽しめることをしているか」が重要だと説く。

若いうちは様々なことに挑戦できる自由があるため、キャリアの初期こそが自己探索の好機であると訴える。

話者自身も幼い頃はタクシー運転手になりたかったが、結果的に「車に関わる仕事」に就けたことを幸運だと感じている。

スピーチの中盤では、自身の家系の歴史にも触れる。

トヨタが元々は織機メーカーだったことや、祖父が自動車事業に乗り出した経緯、さらには自身が三代目として経営を引き継いだ後に直面したリーマンショックや震災、リコール問題などの試練を語る。

これらの経験から学んだのは、変化を恐れず、むしろ受け入れることの重要性であり、バブソン大学で得た起業家精神が今でも支えになっているという。

 

話者は、「ファミリービジネスを経営する上で重要なのは、必要なときに大胆な変化を厭わず、感情に流されず客観的に判断できるかどうか」であると述べる。

未来の産業構造がどう変わるかは予測できないが、変化に前向きである姿勢が重要だと主張する。

さらに、「トヨタという名前にプレッシャーを感じたこともあったが、今はその責任と誇りを持っている」と述べ、聴衆に対しても、成功を手にした後はそれを当然のことと思わず、「正しいことをすればお金は後からついてくる」という考えで歩んでほしいとアドバイスする。

また、話者は52歳でプロのドライバーの訓練を受けた経験を紹介し、年齢に関係なく常に新しいことを学び続ける姿勢の大切さを訴える。

学び続けることこそが「最高の仕事」だとし、学生のような気持ちを持ち続けることが人生を豊かにすると語る。

終盤では、他者から影響を受け、また他者に影響を与える人間になるべきだと説き、「クールになる必要はない、温かい人になれ」と呼びかける。

そして、トヨタの企業理念である「トヨタ・ウェイ(誠実・謙虚・他者への敬意)」を紹介し、自分自身の価値観を持つことの重要性を伝える。

最後に、日本で新たな元号「令和」が始まったことに触れ、それぞれの卒業生にも新しい「時代」の幕開けがあると語りかける。

未来には無限の可能性が広がっており、それぞれの人生が「美しい調和」に満ちたものになるよう願いを込めてスピーチを締めくくる。


このスピーチは、個人の体験や家族の歴史、企業経営の実例を交えながら、人生における選択や価値観の重要性を説くものである。

成功や名声ではなく、「自分の心が喜ぶこと」「他者や社会に対して誠実であること」「変化を受け入れ学び続ける姿勢」こそが、人生を豊かにするというメッセージが一貫して伝えられている。

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