この内容は、不動産投資、特に「ボロ戸建て投資」と呼ばれる安価な中古物件への投資について、その魅力や特徴、注意点を、初心者の心理や社会的背景を踏まえながら語ったものである。
話者はまず、不動産投資に対して初心者が感じる「自分には無理だ」という心理的抵抗感に言及する。
その背景には、親世代から投資に関する教育を受けていないことがある。
しかし、実家の購入も広義では不動産投資であり、多くの人が知らずにそれを経験していると説く。
実際には新築の住宅を高値で購入し、年月とともに価値が下がるという現象を見聞きしてきたために、不動産投資にネガティブな印象を抱いている人が多い。
そこで提案されるのが「底値で買う」という投資の基本原則である。
株式投資と同様に、不動産でも価格が下がりきった物件（ボロ戸建て）を安く購入することで、リスクを抑えつつ高い利回りを狙うことができる。
都心の新築物件のような所有欲を満たす投資先ではなく、あえて人が見向きしない郊外の古い物件に着目することで、価格が低く、利回りが高くなるという構図である。
不動産投資人口が増加しているという事実も示され、10年前に比べて専用ポータルサイトの会員数が約40倍に増えたことが挙げられる。
ただし、株式投資人口に比べるとまだまだ少なく、今後の伸びしろがある分野であるとも語られている。
そのため、今のうちにボロ物件を購入しておけば、将来的に高く売れる可能性もあり、投資としての魅力があるという。
しかし、こうした投資には冷静な判断が必要である。
実際に不動産投資に魅了され、複数の物件を購入したものの、物件選びを誤って失敗するケースも多い。
特に「買いたい病」と呼ばれるような熱狂的な状態になってしまうと、見た目の良さや安さに惑わされて不良物件を掴んでしまうリスクがある。
そうならないためには、どのような条件の物件であれば収益が出せるのか、どのエリア、どの築年数、どの家賃水準なら運用可能なのかといった「数字感覚」を身につけることが重要だと強調されている。
また、物件を購入した後の運営こそが実は重要であり、入居者が決まらなければ収益は生まれないという点にも注意が促されている。
したがって、購入から修繕、入居募集、運営までの一連の流れを理解し、実践できるようにすることが投資成功の鍵となる。
「ボロ戸建て投資」そのものの特徴としては、物件価格が100万〜500万円程度と小規模で始めやすい点が挙げられる。
ローンを組まずに現金で購入できることも多く、借金のリスクを避けられる点もメリットである。
また、安く買える分、家賃収入とのバランスで利回りが非常に高くなる可能性もある。
さらに、ある程度の修繕を施し、しっかりと募集をかけることで入居も見込める。
これらを通じて、月々の安定した家賃収入を積み上げていくことが可能になる。
一方で、当然ながら築年数が古く修繕が必要な物件が多くなることや、立地によっては入居者がつきにくい可能性があるなど、デメリットやリスクも伴う。
また、表面利回りだけに惑わされず、実際の運営コストや空室リスクも踏まえて判断する必要がある。
総じてこの話は、従来の価値観や常識から抜け出し、裏道のような「人が通らない道」にチャンスがあるという投資哲学を説いたものである。
不動産投資の入門としての「ボロ戸建て」は、参入障壁が低く、初心者にも現実的な選択肢となることが示唆されている。
ただし、成功には正しい知識と冷静な判断力が欠かせないという点が繰り返し強調されている。
