この内容は、元ゴールドマン・サックス証券のマネージングディレクターをゲストに迎え、富裕層の思考や行動様式、そしてその背景にある哲学や習慣について深掘りしている対談形式の番組の一部である。
ゲストは、ゴールドマン・サックスに17年間在籍しており、その間に各国の王族や超富裕層と交流し、彼らのマインドセットに直接触れる機会を得た。
彼が強調する成功のための要素は2つあり、1つは自分自身で意思決定を行う主体性、もう1つは圧倒的なスピードで行動することである。
彼らは「小さなことを圧倒的なスピードで、圧倒的な量こなす」ことを習慣にしており、失敗してもすぐに修正し再挑戦する。
これは「早くて間違っている方が、遅くて正しいよりも価値がある」という信念にもつながっている。
また、彼自身の投資スタイルにもこの考え方が反映されており、リスクを取ることで大きなリターンを目指している。
たとえばテスラ株への投資を通じてその成果を体現したという発言がある。
番組ではさらに、「富裕層」の定義にも言及されており、野村総合研究所の基準を紹介している。
具体的には「純金融資産が5,000万円以上1億円未満を準富裕層、1億円以上5億円未満を富裕層、5億円以上を超富裕層」とするものである。
この定義をもとに、出演者たちは自身の立ち位置を照らし合わせながら、資産形成やリスク許容度についても率直に語っている。
ゲストの経歴も非常にユニークであり、大学院を中退し、53回もの面接を経て新卒でゴールドマン・サックスに入社した。
これは極めて異例のプロセスであり、部門ごとに採用を行う同社の制度のもと、20人ほどの投資部門のメンバーすべてと面接を行う必要があったためである。
しかもその部署は年間で1人しか採用しない狭き門だった。
競合する他候補(いわゆる東大卒のエリート)と比較された際、彼は「すべてで70点だが、時に120点や150点を出す可能性を感じさせる人材」と評価されて採用された。
このような「型にはまらない才能」が重視されるのは、投資部門という「クライアントサービスではなく、自社のリスクで戦う部門」ならではの基準である。
入社直後にリーマンショックが発生し、ボーナスゼロ・給与大幅減・所属部署の9割削減という壮絶な状況を経験するが、最も若く体力とやる気がある人材だったため、生き残ることができた。
これは必ずしも能力による選別ではなく、「最も安くてガムシャラに働ける人間が必要だった」というリアルな人員構成の結果である。
その後、彼はゴールドマン・サックスにおいて、4億円以上の企業価値を創出し、最終的には資産1.2兆円規模の運用に関わるまでに成長。
マネージングディレクターに就任し、日本の投資部門の共同統括にまで昇進する。
また、ゴールドマン・サックスの報酬制度の実態にも触れられており、ハイリスク・ハイリターンの世界であることが語られる。
パフォーマンスが高ければボーナスは億単位になることもあるが、成果が出なければ報酬ゼロ、さらには解雇のリスクもあるという極端な環境である。
特にリーマンショック以前には、年収30億円以上を得た社員も存在し、さらに米国本社の社長ボーナスは150億円に達していたと紹介されている。
全体を通して、成功者の華やかな成果の裏にある「即断即決」「圧倒的行動量」「リスクを取る勇気」といった価値観が語られ、富裕層になるための現実的な姿勢が示されている。
また、それは単なる金銭的成功ではなく、思考のスタイルや日々の意思決定のあり方に根差したものであると明らかにされている。