本内容は、Amazon輸出と為替変動の関係、および為替差益の処理方法について説明している対談形式の記録である。
特に、為替レートが仕入れや利益に与える影響と、実務上どのようにそれを扱うかが中心テーマとなっている。
まず、為替レートの動きについては、最近の相場である1ドル151円前後を基準に話が進められている。
為替は短期間で大きく動くこともあり、たとえば以前は165円まで上がっていたが、現在は151円付近を行ったり来たりしている。
このような変動に対応するため、仕入れの際には為替レートをある程度保守的に見積もる方が安全だとされている。
具体的には、たとえば現在のレートが151円であっても、実務上の計算には140円程度を基準とすることで、為替が円高方向に振れても利益が確保できるようにしている。
逆に円安が進めば想定よりも利益が増えるため、それは「ラッキー」と捉えるというスタンスである。
このような考え方を採ることで、年間を通じて大きな損失を避ける方針である。
また、仕入れや利益の計算については、「プライスター」というアプリを使ってドル建ての価格を円に換算し、レートを140円に固定した想定で計算している。
売上が発生し、Amazonからの入金があったタイミングで、その時の実際の為替レートと想定レートの差額を「一時収入(為替差益)」として計上している。
つまり、仕入れ価格は固定で入力し、為替差益は別枠で収益として認識することで、帳簿の整合性を保っている。
この為替差益は「為替差損益(為替再評価)」として会計上処理される。
実際には、Amazonから直接日本円が振り込まれるわけではなく、まずドル建てで「Payoneer(ペイオニア)」という口座に入金され、そこから日本の銀行口座に送金される。
この2段階の入金タイミングでもレートの違いがあるため、どの時点のレートを基準に利益を計算するかが重要になる。
物価の話題も触れられており、アメリカはインフレの影響で他国よりも突出して物価が高い状況にあると指摘されている。
たとえば、韓国や台湾への旅行が人気であるのは物価が安いからであり、反対にアメリカへの旅行は割高に感じられて敬遠されがちだという。
また、以前は日本の物価が安く、多くの外国人観光客が訪れていたが、現在は円高(160円/1ドルの頃より)による影響もあり、日本の物価も相対的に高く感じられつつあることから、観光客の数はやや減少傾向にあるとも述べられている。
総じて、Amazon輸出においては為替の変動を見越した慎重な価格設定と、実際の入金時点のレートを基にした利益管理が重要であり、適切な会計処理によって正確な収支把握が可能になるという実務的な知見がまとめられている。