この会話は、Amazon輸出ビジネスにおける資金の必要性と、その特徴的な資金繰りについて解説した内容である。
比較対象として国内転売、特に「せどり」と呼ばれるビジネスモデルと対比しながら語られている。
まずAmazon輸出においては、ある程度まとまった資金が必要不可欠であり、ゼロ円スタートは現実的ではない。
理由は複数ある。
まず、商品を海外(主にアメリカ)に送る際に送料が現金で必要になり、クレジットカードでは賄えないケースが多いこと。
さらに、仕入れから発送、そして現地FBA倉庫での販売までに1か月以上のタイムラグがあるため、売上が入金される前にクレジットカードの支払期限が到来してしまうリスクが高い。
このため、「仕入れにクレジットカードを使い、売上金で支払う」という旧来の考え方は非常にリスクが高く推奨されない。
発送にはある程度まとまった商品量が必要であり、発送効率や送料コストの観点からも商品をある程度溜めてから送る必要がある。
そのため、仕入れから発送までにもラグが生まれ、さらに資金拘束期間が長くなる。
ただし、売上自体は見込めるビジネスであり、需要がある商品を選べば一度に大量に売れることも可能である。
特にアメリカ市場は日本市場の10倍程度の規模があり、日本で売れ筋の商品であれば、輸出先でも高い確率で売れる。
Amazonのランキングを見たり、Keepaなどのツールを使えば、安定的な売れ行きが期待できる商品を見つけることは難しくない。
したがって、Amazon輸出は仕入れが簡単で、かつ安定したリピートが可能なビジネスモデルである。
定番商品を在庫が許す限り繰り返し仕入れて売ることができるため、資金さえあれば「回し続ける」ことで安定収益を実現できる。
しかし、その反面、在庫切れや競合の参入による価格崩壊といったリスクもあるため、常に新しい商品をリサーチして入れ替える意識が必要である。
このように、Amazon輸出は、「資金の先出し」が前提であり、資金の回収には時間がかかる。
そのため、月単位ではなく四半期〜半期、もしくは年単位で利益を計測する長期的な視点が求められるビジネスである。
最初の数ヶ月は赤字になる可能性もあるが、その先にはまとまった利益が得られる可能性がある点に特徴がある。
また、商品探しの難易度が比較的低く、一定の資金があればラインナップを増やすことができるため、せどりに比べて再現性が高く、スケーラビリティにも優れているといえる。
これは、せどりが実店舗などでの宝探し的要素が強いのに対し、Amazon輸出はネット上の在庫から定番商品を回す仕組みであり、よりビジネスとしての安定感があるといえる。