この話は、Amazon輸出における「無在庫販売(在庫を持たずに商品を出品し、売れてから仕入れて発送する方法)」の危険性と失敗例について、体験談を交えながら詳しく語られた内容です。
かつてAmazon輸出において無在庫販売(無在庫輸出、あるいは無在庫輸入)は「資金ゼロでも始められるビジネスモデル」として一時期非常に流行しました。
この方法では、アカウントを大量に作成し、ツールを使って何十万点という商品を一括で出品し、注文が入った時点で国内外のAmazonや他のECサイトから仕入れて発送する仕組みです。
このやり方は一見効率的でリスクが低いように見えるものの、実際には非常に高いリスクを伴う不正行為に近い手法であり、短期間でアカウント停止(いわゆる垢バン)される危険性が極めて高いという実態が語られています。
販売者本人が何を売っているのか把握できないほど膨大な商品を出品していると、規制対象の商品やメーカーからクレームが来るようなものも含まれてしまい、Amazonからの警告メールが殺到します。
これを放置するとアカウントの健全性が著しく損なわれ、最終的には閉鎖されてしまいます。
さらに、出品している商品が実際には仕入れ先で売り切れている場合や、想定以上に価格が上がってしまった場合は、取引キャンセルが多発し、評価の低下やペナルティに繋がります。
また、無在庫販売自体がAmazonを含むほとんどのプラットフォームで規約違反であり、バレた時点で即座にアカウントが停止される仕組みになっています。
この手法はAmazonだけでなく、ヤフーショッピングやメルカリ、楽天市場などでも一時期流行しましたが、いずれも一斉取り締まりによってアカウントの大量凍結やツールの無効化、最悪の場合は罰金といった厳しい対応が取られてきました。
特に楽天は罰金制度があり、他のプラットフォームよりも厳しい対応があると述べられています。
話者自身もかつてこの手法に魅力を感じ、100万円を支払って無在庫輸出のコンサルを受け、海外のアカウントを使用して挑戦したことがあります。
しかし、開始からわずか1週間でアカウントがバンされ、何の成果も得られないままプロジェクトは終了しました。
出品制限の商品や危険物を誤って扱ってしまい、英語の警告メールが大量に届き対応できず、結果的にすべてが無駄になったと振り返っています。
その後、有在庫販売に切り替え、eBayでの輸出も試みましたが、eBayは手間がかかりすぎるうえに個別対応の負荷が非常に大きく、継続困難と判断して撤退。
現在は有在庫による堅実な手法のみを推奨しています。
話の結論として、「無在庫販売は一見魅力的に思えるが、現実には非常に危険で、絶対にやるべきではない」という強い警告がなされており、初心者がインターネットで調べて出てくる古い情報に惑わされてこの手法に手を出すことは非常に危険であると強調しています。
以上のように、これは単なる経験談にとどまらず、Amazon輸出ビジネスを検討するすべての人への注意喚起として非常に重要な情報を含んだ内容です。
無在庫販売に興味を持つ人ほど、ぜひ一度冷静に読み解くべき発言です
編集部より
Amazonに限らず無在庫販売はどのプラットフォームでも厳しく対処される。無在庫販売をのびのびとやりたいのであれば、自社ECサイトを立ち上げて、プラットフォームに依存しない集客媒体を持つしかない。それでも、オペレーションは非常に難しいので、長続きはしないだろう。一方で、無在庫販売が当たり前になっている業界もある。それはBtoBでの取引だ。特に数百万円や数千万円といった製品は、在庫を持たないどころか、生産から始めることも珍しくない。AmazonでtoC向けのビジネスをするのであれば、FBA倉庫に在庫を送って販売する手法が最も安全で長続きする。