現在、特に若い世代の間で貯金志向が高まっており、収入の中から定期的に一定額を貯金する人が増えている。
将来の不安(賃金の停滞、高齢化に伴う生活資金の不安など)が背景にあり、お金を「使うより貯める」傾向が強まっている。
実際、20代で2000万円、30代で4700万円を貯めている人も存在し、そのような人々の生活は非常に倹約的で、日々の支出を極限まで抑えるスタイルをとっている。
こうした人々は、精神的な安定のためにお金を貯めており、金銭的な余裕が「嫌なことがあっても辞められる」という安心感につながっている。
支出を徹底的に抑える生活そのものに喜びや幸福を感じており、「節約=我慢」ではなく、自ら選び取った生活スタイルとして成立している。
また、「使わない」のではなく「使えなくなった」というケースもあり、長年の節約習慣によってお金を使うこと自体に罪悪感を覚える「お金使えない症候群」ともいえる状態になる人も存在する。
一方で、こうした「貯めるばかりでお金を使わない人々」に対して、世間からは「経済が回らなくなる」「賃金が上がらない原因になる」といった批判の声もある。
しかし、番組内ではこの意見に対して「単に現金をため込んでいるわけではなく、銀行や証券に預けることで資金は投資に回っており、経済的にも機能している」と反論があった。
むしろ、無駄な浪費をせず、合理的な支出を重視する方が長期的には社会にとってもプラスになり得るという見解も示されている。
番組に登場した節約家は、子どもの頃から貯金への意識が高く、親の教え(無駄遣いをするな、保証人になるななど)の影響も大きいと述べている。
実際に固定費を徹底的に抑えるため、家賃補助のある物件に住み、車は人から譲ってもらい、保険にも入らず、夫婦共に「お小遣いゼロ」のルールで生活している。
お金を使う際は真剣に用途を吟味し、支出そのものが慎重になるよう工夫している。
ただし、その結果として友人関係が希薄になった経験もあり、「節約が行き過ぎると人間関係に影響する」という反省も語られている。
目標としては「50歳で1億円の貯蓄」を掲げており、その理由は投資からの配当や運用益で今の生活費を賄えるという試算に基づいている。
つまり、生活費を取り崩すことなく、資産運用によって経済的自由を得ることを目指している。
この特集は「お金を貯めること」そのものよりも、「なぜ使わないのか」「使わないことで何が得られるのか」、さらに「使わないことに対する社会の反応」を多面的に捉えており、貯蓄行動が個人の価値観や社会構造に深く関係していることを示している。