文章で学ぶ英単語リスニング
英語に限らず、スポーツや芸術のスキル習得は成長曲線を描くと言われることがあります。
学習を始めたばかりの初期段階では、なかなか成長を実感できずまるで無意味な努力をしているような気がします。
成長曲線では、ある一定のブレークスルーポイントを超えると、急激に技術が上達していきますが、明確なポイントがわかるわけではありません。自分が今、指数関数グラフのどの地点にいるのかが客観的には把握できないのです。
そのため、英語学習者の多くが爆発的な成長に到達する前に挫折してしまい、英語の舞台から自ら降りてしまうのです。挫折を防ぎ学習を継続するためには、モチベーションを保ち、なんとしてでも成長を実感するレベルまでスキルを引き上げなければなりません。
今回は、英語学習のモチベーションを継続させる考え方をご紹介します。
目次
1万時間の学習が必要
なんとか学習のモチベーションを維持しようと意気込み、勉強し始めたのは良いものの、覚えたはずの単語を忘れてしまったり、簡単な文章を聞き取れなかったりすると、継続がしんどくなるのも無理はありません。
前提として、覚えた単語は忘れるものですし、一発で英語を聞き取れるようになるためには相当の期間は学習を継続しなければなりません。
英語学習に限らず、あらゆる能力を一定以上のレベルにまで到達させるためには、1万時間以上の継続が目安とされています。
中学、高校、大学の英語学習時間を全て合計しても1000時間ほどしかありません。これだけでは学習時間としては少なすぎるわけです。
毎日一時間の勉強をすると仮定すると、1万時間に到達するまでには27年もかかる計算になります。英語学習を途中で諦めてしまう人が大勢いるのは容易に想像できます。
このような挫折を防ぎ、長い期間継続するためには2つの考え方があります。
- 1日の英語学習時間を増やす
- 英語を学ぶのではなく、英語で学ぶ
1日の学習時間を増やす
1日の学習時間を増やしさえすれば、単純計算で1万時間に到達するまでの期間は短くなります。1日の学習時間は長くなったとしても、期間が短くなれば早い段階でスキルの習得を実感することができて学習が楽しくなります。
時間が許す限り全ての時間を英語学習に注ぎ込み、プライベートを犠牲にして英語と向き合います。
ですが、これができるのであれば誰も苦労はしません。
学生であれば、英語の他にもやるべき勉強はあるでしょうし、社会人であれば本業の仕事があります。
人生の中で丸一日を「英語だけの学習」に充てられる時間的余裕がある人はほとんどいないのです。
そのため、私が推奨するのは「英語を学ぶ」のではなく「英語で学ぶ」という方法です。
英語で学ぶ
もしあなたが学生であれば、授業の内容を英語で学んでみてください。
インターネット上に無数の英語サイトがあるので、興味のある分野について調べてみましょう。当然わからない単語が大量に出てきて理解できません。
英語で学ぶためには、前提となる英語スキルを身につけていなければ目的を果たすことができません。学習する過程で自然と英語を身につけていくことになるため、モチベーションの維持はしやすくなります。
英語学習を目的にしてしまうと、参考書の非実用的な例文と向き合うことになります。少しでも学習意欲を上げるためにも、興味のある分野について英語で調べてみるようにしましょう。
成長曲線を上場企業の株価と考える
私はモチベーションを維持する時には、成長曲線を上場企業の株価と考えるようにしています。
上場する企業は、上場したタイミングで株価が公開され誰でも売買できるようになります。このタイミングで株価は急上昇します。ここを成長曲線のブレークスルーポイントと置き換えて考えています。
上場するまでは、地道な営業活動を継続し売上を積み重ねていきます。
問題は"上場"のような明確なポイントが英語学習には存在しないということです。
全然聞き取れなかった映画の英語を突然聞き取れるようになるわけでも、道行く外国人の会話が理解できるようになるわけでもありません。
これはスポーツにも当てはまります。
中学校に入学して初めて部活を始める人は、3年生の卒業するころには比べ物にならないくらい上達しています。ですが、どの地点で自分が成長したかを自覚している人はまずいないでしょう。
練習では出来ていたことが試合で出来なかったり、格上の対戦相手に勝てたと思ったら次の試合では格下の相手に負けるということを繰り返して少しずつ上達します。
まさに株価の乱高下と同じです。
経済の世界では、一度上場してしまえば、そう簡単に一定水準以下に株価が落ちることはありません。
上場廃止や倒産はありますが、これは人間の死と考えればわかりやすいでしょう。
学習を継続するという前提であれば、死ぬまでスキルを向上させることができるのです。他者に影響を受けることがないため、経済の世界よりも恵まれています。
学習は自分との戦いです。身につけたスキルを誰かに奪われることはありません。
突然ベンチャー企業が台頭してきて、廃業に追い込まれるなんとことは成長曲線の中には含まれていません。
あなたの英語スキルを上場させてしまいましょう!