この話の主題は、住宅ローンを選ぶ際に「固定金利」と「変動金利」のどちらが良いかという問いに対して、結論は一概には出せないという点にあります。
なぜなら、どちらが得かは将来の金利動向、すなわち「未来」によって変わるからです。
そして未来は誰にも予測できないという前提のもと、考え方や注意点が説明されています。
まず、固定金利とは契約時に決まった金利が返済期間中ずっと変わらないもので、変動金利よりも金利が高く設定される傾向があります。
一方で変動金利は半年ごとに金利が見直され、5年ごとに返済額が変更されるのが一般的です。
ただし、返済額の増減には上限があり、急激な負担増を防ぐ制度が整っているものの、その分未払い利息が繰り越される点には注意が必要です。
この金利の仕組みを理解するうえで重要なのが「金利リスク」という概念です。
固定金利では銀行が金利変動のリスクを負い、変動金利では借り手がそのリスクを負う構造になっています。
たとえば、固定金利で借りた場合に将来金利が上昇すれば借り手が得をし、変動金利で借りた場合に金利が下がれば借り手が得をします。逆に、金利が不利な方向に動けば借り手が損をするのです。
過去20年間を振り返ると、日本では金利が低水準で推移し続けており、結果として変動金利を選んだ人の方が得をしていたといえます。
この状況が今後も続くかどうかは誰にも分かりませんが、現時点でも多くの人が見た目の金利の低さから変動金利を選んでいるという実情があります。
特に銀行側が最初の見積もりで変動金利を提示することが多く、それが選択を後押ししている面もあります。
また、「期間固定金利」という選択肢についても触れられていますが、これは最初の一定期間(たとえば5年や10年)だけ金利が固定され、以後は変動金利になるものです。
しかし、後半の金利が相場よりも高めに設定されていることが多いため、注意が必要です。
このローンの形式はあまりメリットを感じられないという見解が述べられており、少なくともこの発言者自身は選ばないと明言しています。
そして最終的には、どちらの金利タイプを選ぶかという話以前に、無理のない金額で住宅を購入すること、そして住宅購入が「浪費」なのか「投資」なのかをきちんと認識することが大切だと強調されています。
つまり、金利タイプの選択はあくまで戦術であり、その前に戦略としての資金計画や住宅取得の目的を明確にしておく必要があるということです。
発言者本人は現時点でどちらかといえば変動金利を選ぶ可能性が高いものの、それは個人の経済状況や考え方によるものであり、万人にとっての正解ではないという立場を取っています。
特に「金利が上がったら一括返済すればいい」といった選択肢が取れる人であれば変動でも良いし、そうでなければ固定にしてリスクを避けたほうが安心かもしれないとも示唆しています。
このように、固定金利と変動金利のどちらが良いかは、金融知識だけでなく、将来に対する考え方、リスク許容度、ライフプラン、家計の柔軟性などを総合的に考慮して決めるべき問題であるという結論です。